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by nitta_hitoshi
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2012年 05月 15日 ( 1 )

①言葉のすり替えによって自説を正当化しようとする詐術(2)

 学者は史料に忠実でなければなりません。そこで「誓約(うけひ)」の場面について、『日本書紀』はどういう言葉を使っているかを紹介します。

 ①正文では、スサノオの命が天のオシホミミの命を「生」んだとなっています。

 異伝は次のように記されています。
②第一書では、スサノオの命が天のオシホミミの命を「生」んだとなっています。
③第二書では、スサノオの命が天のオシホミミの命を「化生」したとなっています。
④第三書では、スサノオの命が天のオシホミミの命を「化生」した、「生」んだとなっています。
⑤天石窟神話を記した第三書では、スサノオの命が天のオシホミミの命を「生」んだとなっています。

『古事記』では、スサノオの命の息吹から天のオシホミミの命が「成」った。しかし、天照大神が、後から「生」まれた五男神は、自分の物実(ものざね)によって「成」ったのだから「吾子」だと宣言したと書かれています。

以上のことから二つのことが言えます。

①記紀で使われている言葉は「生」「化生」「成」だけであって、「出現」「現」という言葉は使われていません。

②記紀のいずれの言い伝えにおいても、天のオシホミミの命は、「生」「化生」「成」いずれの言葉が使われる場合でも、スサノオの命が生んだとされており、天照大神から生まれたとする伝えは一つも記録されていません。
by nitta_hitoshi | 2012-05-15 20:24 | 女系天皇(主に高森さんへの問い)