新田均のコラムブログです


by nitta_hitoshi
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恐るべし!ジンダー・フリー(2)

[「吉野熊野新聞」平成14年9月27日]


 前回「ジェンダー・フリー」は過激な文化破壊思想だと書いたが、日教組は「ジェンダーフリーの教育を」というパンフレットの中で、それがあたかも“世界的な流れ”ででもあるかのように宣伝している。それは、熊野市の「男女共同参画ステッププラン」でも同じだ。しかし、はっきり言ってそれは“まやかし”である。なにしろ、「ジェンダー・フリー」の旗振り役であり、平成八年に首相に提出された「男女共同参画ビジョン」の理論的リーダーでもあった大沢真理東大教授自身が、「ジェンダーそのものの解消を展望するとは、ラディカルというに値する」、先進諸外国でも「ジェンダーからの解放まで志向するものはない」と明言しているのだ。

 この過激思想の下でどのような政策が強行されようとしているのか、ご紹介しよう。まず、文科省の委嘱で日本女子社会教育会(現、日本女性学習財団)が作成した子育て支援パンフレット『新子育て支援・未来を育てる基本のき』。そこでは、ジェンダーにこだわった否定されるべき子育ての内容として、次のようなものが列挙されていた

 女の子には「優しい、愛らしい名前」「節句の祝い:ひな祭りのお雛様」「プレゼントのおもちゃ:ままごとセット,お人形,お化粧セット」「習い事:ピアノ,習字,バレエ」「『○○さん』と呼ぶ」「『かわいい』とほめる」「礼儀正しく、言葉遣いは丁寧に」
 男の子には「スケールの大きい、強そうな名前」「節句の祝い:鯉のぼりと武者人形」「プレゼントのおもちゃ:ミニカー,グローブ,サッカーボール」「習い事:水泳,体操」「『○○くん』と呼ぶ」「『カッコいい』とほめる」「女の子には優しくしなさい」

 このパンフレットはさすがに国会でも問題視されて、民主党の山谷えり子衆議院議員が「あまりに行き過ぎ。いい意味での女らしさや男らしさまで否定する必要があるのか」と質すと、なんと男女共同参画担当大臣である福田官房長官が「正直言って賛成しない」と答弁したのである。一体全体、担当大臣ですら賛成しないジェンダー・フリー政策が政府の権威を借りて行われつつあるとはどういうことなのだろうか。

 ジェンダー・フリー論者が「らしさ」を否定する背景には、男女の違いは、社会的・文化的に押しつけられたものを除けば、あとは「程度の違い」に過ぎないという思い込みがある。彼らは、それが「科学的」な思想だと「信じている」ようだが、最近では、それを否定する研究成果が次々と発表されている。例えば、オーストラリアの心理学者であるスティーブ・ビダルフ氏は、自国での過去三十年余の少年少女を実質的に同一と見なす教育は上手く行かなかったとして、少年の健全な成長のためには「らしさ」を正当に評価する教育が必要であると説いている(『男の子って、どうしてこうなの?』草想社)。(つづく)
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by nitta_hitoshi | 2007-02-15 08:26 | 新聞