新田均のコラムブログです


by nitta_hitoshi
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日本創業の原点・神武天皇(1)

(平成12年10月7日「第15回歴史体験セミナー」研修Ⅰ)


(1)本研修の目的

この研修は、「日本創業の原点・神武天皇」という題でお話しします。まだ皆さんの記憶に新しいところだと思いますが、今年(平成12年)の五月に森首相の「神の国発言」があり、それが世間で取り沙汰されました。あの議論を聞いていて私が疑問に思ったのは、“そもそも過去の日本人が考えてきた「神の国」とは何か”ということをどれだけ知って議論しているのだろうか、ということでした。「神の国」ということを理解するためには当然日本の神話を読んで、そこにどんなことが書かれているか知っている必要があるわけですが、「神話の内容さえ知らずに議論しているのではないだろうか」と思えるような発言ばかりでした。自国の神話を知らないことが、現実に国政の混乱を招いているわけですから、日本神話について学ぶことは、決して現在と無関係な暇人の行いではないと思います。

 今日のお話しは神武天皇についてですが、実は神武天皇の物語は日本神話の一番最後の部分、あるいは神話が終わって人間の時代に移る繋ぎ目の部分に当ります。物語りの位置づけとしては、神話の完成という位置を占めていると言ってもいいでしょう。ですから、日本神話を理解していないと神武天皇の物語の意味は分からないわけで、神武天皇について学ぼうと思えば、必然的に日本神話を勉強しなければなりません。

 そこで、この研修では、神武天皇について学ぶ手始めとして、神話の粗筋を頭に入れていただくことを目的とします。そして、神話の粗筋を知る中で、神武天皇の物語が、実は神話に描かれた理想の実現という位置を占めていることを理解していただければと思います。予め申し上げますが、神武天皇が九州から大和にのぼってこられたのは御祖先の天照大神が自分の御子孫にこの国を治めなさいとご命令になった、その御命令を実現するという目的があったからです。つまり、神話に描かれた国家の基本構造をこの地上にもたらして、神話を完成させた人物が神武天皇であったわけです。そこで、古代の日本人が描いた国家像や天皇像とは何だったのか。そんなことを考えながら、私の話を聞いていただければ幸いです。(つづく)
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by nitta_hitoshi | 2006-10-26 08:00 | 講演