新田均のコラムブログです


by nitta_hitoshi
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語るに落ちた勝田吉太郎氏ー「大学の名誉のために一言」を吟味するー(3)

(平成12年5月中旬稿)


《八木氏の「名誉のために一言」》

勝田氏は「いわゆる“TPO”を離れていわば“無重力の真空”の中でこの種の問題をあげつらうことは易しいこと、手軽なことである。当地の事情にうといとも思われる一助教授が、大学当局の『醜態』を論難することは、私の大学の全教職員から見るなら“気楽な批判”としか思われない」と、八木氏を批判している。ところが、私たちとの座談会において、八木氏は、学長を含む大学当局の対応、というより勝田吉太郎学長個人の対応を「醜態」と断定する明確な根拠を示していたのである。

 しかし、八木氏は、自分の発言のの趣旨はあくまで三重県教育界を支配するある「空気」を批判し、大学人・言論人として学問の自由・言論の自由を守ることにあるのであり、勝田氏への個人攻撃と誤解されることは本意ではないと判断されたのだろう。発売された『諸君!』五月号では、その部分の発言がカットされている。そのような八木氏の配慮を知ってか知らずか、勝田氏は八木氏が軽率に言葉を弄しているかような物言いをしている。したがって、八木氏の発言を直に聞いた者として、八木氏の“名誉のために”に、カットされた発言をここで復活させざるをえない。

八木氏は、最初、久保発言に対する勝田氏の対応を聞かされたときに、自分の耳を疑ったと述べ、その根拠として、一枚のハガキを示した。それは、八木氏からの著書の寄贈に対する平成十一年七月二十七日付の勝田吉太郎氏本人の礼状だった。そこには、おおむね次のような言葉が添えられていた。

 「教育の問題も、つきつめたところ、タブー中のタブーの部落の問題に行きつきます。三重県も、大きな問題を抱えております。どうか、タブーに挑戦、破って下さい。(いまの保守は、ダラシのない保守ばかりですね)」

なんと「当地の事情」を八木氏に伝えたのは当の勝田氏だったのだ。八木氏に部落問題についてのタブーを破れと焚きつけ、自分の大学の教員が同和問題に言及すると「大変なことをしてくれたね」と非難し、八木氏の批判に接すると「当地の事情にうとい」と言ってこき下ろす。このような振る舞を、「醜態」「あまりにだらしない」と評しても不当ではない。少なくとも、私たちは何の違和感も感じなかったと申し上げておく。

 なお、「三重タイムズ」の名誉のためにも、ここで「一言」弁じなければなるまい。というのも、勝田氏は「三重タイムズ」について、「週一回発行され、津市近辺で地方紙の中に折り込み広告紙の形で配布されるもの。これまでのところ久保先生の立場を専ら擁護する傾向のミニコミ紙のようにみえる」と述べ、「三重タイムズ」がまるでまともな報道機関として認知されがたい類のもので、その記事を根拠にした八木氏の発言は信ずるに値しないかのような物言いをしているからだ。

 しかし、「三重タイムズ」は「中日新聞」の折り込み新聞であり、発行部数は七万部である。「中日新聞」は「地方紙」なのか、七万部という発行部数は「ミニコミ」なのか。現在、三重県では教育改革が急速な勢いで進んでいるが、この改革を進める上で「三重タイムズ」の報道と論説が大きな役割を果たしてきたことは周知の事実である。「三重タイムズ」の記事の正確さと、勇気ある報道姿勢とは、県議会議員をはじめ多くの県民、マスコミ関係者が一致して認めているところだ。

 もちろん、久保事件についても諸方面(鈴鹿国際大学も含む)に取材した上で記事を作成している。これらの事実を無視して「当地の事情」などと言えたものではない。もし、「三重タイムズ」の記事がデタラメだというのなら、編集部に抗議し、訂正を求められてはいかがだろうか。しかし、現在のところ鈴鹿国際大学から抗議があったという話しは聞いていない。それに、編集長が問題なしと判断して掲載した発言について責任問題が生じた場合、その新聞が発言者を擁護するのは倫理的に当然、とういうよりもそうでなければ報道機関としての信用を保つことはできまい。(つづく)
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by nitta_hitoshi | 2006-10-18 07:10 | 不掲載・未発表