新田均のコラムブログです


by nitta_hitoshi
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女系天皇論の非論理性・非歴史性・非倫理性(11)

①言葉のすり替えによって自説を正当化しようとする詐術(1)

高森さんは、新著『歴史で読み解く女性天皇』の中で次のように書いています。
「皇室の血統につながる天のオシホミミの命は、直接には天照大神の弟のスサノオの命が、天照大神の玉飾りを受けとり、それによって出現させたことになっている」
「直接にはスサノオの命が天のオシホミミの命を現れさせる役割を担ったとしても」

この「出現させた」「「現れさせる」という言葉使いに現われた詐術に読者は気付かれたでしょうか

 かつて高森さんは『はじめて読む「日本の神話」』(展転社、平成12年)の中で、次のように書いていました。
「スサノオノミコトが生んだ五男神」「スサノオノミコトが大神から渡された八坂瓊五百箇御統をやはり聖なる井戸で振りすすぎ、がりがり噛んで正哉吾勝勝速日天忍穂耳尊をはじめとする五男神を化生します」。

 「生んだ」「化生した」は血縁を表す言葉です。神話を人間の血縁関係に当てはめて解釈しようとするならば、決して、軽んじたり、置き換えたりしてはならない言葉です。そして、スサノオの命がオシホミミの命を「生んだ」と言いきってしまえば、いかなる理屈をつけても両者の血縁関係を否定することはできません。そこで、読者が記紀の原文を知らないのをいいことに、「出現させた」「現した」に置き換えて、言葉の操作で、スサノオの命と天のオシホミミの命との血縁関係を見えにくくしようとしたわけです。
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by nitta_hitoshi | 2012-05-13 23:24 | 女系天皇(主に高森さんへの問い)