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新田均のコラムブログです


by nitta_hitoshi
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日本創業の原点・神武天皇(8)

(8)日向三代

 さて、神話の最後は日向三代です。ニニギノ尊が天降られましたのは、日向の高千穂、つまり九州でありまして、いきなり日本列島の中心に天降られたのではありませんでした。この九州で皇統が三代続きます。一代目が天下られたニニギノ尊、二代目がヒコホホデミノ尊、三代目がウガヤフキアエズノ尊、このウガヤフキアエズノ尊の一番末のお子さんがカンヤマトイワレビコノ尊、すなわち神武天皇です。

日向第一代のニニギノ尊はコノハナサクヤ姫というお姫様と結婚されますが、このコノハナサクヤ姫はオオヤマツミノ神の子と伝えられております。つまり山の神様の娘さんと結婚されたわけです。この神は国神(くにつかみ)、すなわちこの地上におられた神です。そしてヒコホホデミノ尊が生まれられるわけですが、このヒコホホデミノ尊はトヨタマ姫と結婚されます。これは海神の娘であり、この神ももちろん国神です。このヒコホホデミノ尊とトヨタマ姫との間に生まれたウガヤフキアエズノ尊は、タマヨリ姫と結婚しますが、このタマヨリ姫はトヨタマ姫の妹で、これまた海の神の娘です。

 こうして、日向三代の間に天神(あまつかみ)と国神との融合が行われただけでなく、それぞれ結婚される相手も山の神、海の神ということで、様々な異質な力が糾合されていくという物語になっているのです。そして、ウガヤフキアヘズノ尊とタマヨリ姫との間にヒコイツセノ命、イナイノ命、ミケイリノノ命、カンヤマトイワレビコノ命、すなわち神武天皇という四人のお子さんがお生まれになります。ここまでが神武天皇のお話しの前提をなす神話の部分です。(つづく)
by nitta_hitoshi | 2006-12-07 20:42 | 講演