新田均のコラムブログです


by nitta_hitoshi
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ジョン・ブリーン著『儀礼と権力ー天皇の明治維新』を吟味するー「語り」によって隠されたものは何か (2)

一、本稿の観点と方法論

 本稿における吟味の焦点はブリーン教授の方法論に当てる。私の見るところ、彼はまず対象とする事柄をざっと眺めて直感的に自らが最も重要だと考える事件とそれに対する評価を定め、次にその結論を正当化するために必要な理論と事例をあつめて論文を組み立てている。予め仮説を立てるのは研究者なら誰でも行うことだが、彼の場合に問題なのは、自分の結論とは齟齬するような理論や事例に正面から取り組むことを避けて、つまみ食い的に用いたり、隠したり、無視したり、書き換えたりすることで、やっかいな論証を省略し、結局、自らが靖国神社を批判する際に問題とした「記憶の選択」を自分自身も行ってしまっていることである。
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by nitta_hitoshi | 2013-01-31 00:58 | 英訳原文