新田均のコラムブログです


by nitta_hitoshi
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ジョン・ブリーン著『儀礼と権力ー天皇の明治維新』を吟味するー「語り」によって隠されたものは何か (1)

はじめに

  国際日本文化研究センター教授のジョン・ブリーン氏が『儀礼と権力ー天皇の明治維新』(平凡社選書、平成二三年八月、以下書名のない頁記述は基本的に同書)を上梓された。ブリーン教授が平成七年から二十一年までの間に執筆した近代の天皇と神社に関する八本の論文をまとめたものである。

序章と第一章から第三章では、儀礼論的見地から、明治二年の明治天皇の伊勢参宮、文久三年の将軍家茂の上洛と孝明天皇への拝謁、慶応四年の誓祭儀礼(いわゆる「五カ条の御誓文」)、明治天皇が行った外交上の儀礼などに焦点を当て、儀礼の権力関係への影響を考察している。

第四章から第六章では、「天皇との関係によって新たに意味づけられる近代初期の神道、近代の神社を取り上げる」(一八頁)として、神仏分離、大国隆正の天主教観、日吉神社の山王祭が論じられている。

そして、最後の補論では、靖国神社を「記憶の場」として捉え、そこで語られる歴史は「きわめて偏った、歪曲されたものである」(二六四頁)と主張している。本稿はこのブリーン教授の著書の吟味を目的とする。
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by nitta_hitoshi | 2013-01-29 20:54 | 英訳原文