新田均のコラムブログです


by nitta_hitoshi
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女系天皇論の非論理性・非歴史性・非倫理性(7)

小林よしのりさんは、「ゴー宣言ネット道場」の【提言 女性宮家創設は皇統維新である】の15分50秒あたりで、明治28年7月竣功の『皇統譜』を持ち出して、「天照皇大神」の横に「世系第一」と書かれて、この「世系」とは「血統」のことで、だから「天皇の血統は天照大神から始まる」と言っています。そして、「神武天皇」の横に「皇統第一」とあるのは「初代天皇のこと」、つまり、ここでの「皇統」とは「皇位」の意味だといっています。

 ところで、高森さんも、小林さんも、田中卓氏も、“「皇室典範」第一条の「皇統」には男系と女系の両方が含まれると解釈できるから、女系天皇になっても「皇統」は断絶しない”と主張しています。ここでの「皇統」の解釈は、「皇統」=「皇位」ではなく、「皇統」=「血統」でしょう。

 『皇統譜』を根拠にするときには「世系」が「血統」で、「皇統」は「皇位」。ところが、「皇室典範」を根拠にするときには「皇統」が「血統」。つまり、自分の議論に都合がよいように、史料によって「皇統」の解釈を変えているわけです。

 ところが、そうなると『皇統譜』と「皇室典範」とでは、「皇統」の意味が違っていることになってしまいます。小林さんの表現に従えば、『皇統譜』と「旧皇室典範」は、ともに「明治天皇の勅裁によるもの」です。その両者において「皇統」の意味が違うとすれば大問題です。

 ただし、この矛盾は、女系を正当化しようとして恣意的な解釈をするから起こるだけで、『皇統譜』でも「皇室典範」でも「皇統」は「男系の血統」を意味し、『皇統譜』の「世系」は、葦津氏の解釈にしたがって「霊統」の意味だと考えれば何の矛盾もありません。

 そこで、学者としての高森さんに質問です。

①明治28年7月竣功の『皇統譜』と、明治22年2月11日制定の「皇室典範」とでは、「皇統」の意味が異なるのでしょうか。

②小林よしのりさんは『皇統譜』を絶対視して「明治天皇の勅裁によるものであり、学者・評論家の議論の余地などない!」と言っていますが、そこに書かれている「神武天皇の御年一百三十七歳」も議論の余地のないものなのでしょうか。議論の余地があるとすれば、議論の余地の有るものと無いものを誰が決めるのでしょうか。「君臣の分義」を厳かに守ると自称する高森・明「」さんですか?
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by nitta_hitoshi | 2012-05-09 18:32 | 女系天皇(主に高森さんへの問い)