新田均のコラムブログです


by nitta_hitoshi
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小林よしのり氏“公認”「ゴーマニスト」宣言(28)

ゴーマニスト「降格」準則

16.先人の業績への関心と尊敬と感謝を忘れたら降格!

 小林さんは、元号法制化について、こんなことを書いています。
「昭和天皇が70代半ばを迎えられた頃から、元号法制化の運動は活発化。民間の愛国団体『大東塾』の創始者、影山正治氏のように、これを生涯最後の活動と定め、元号法の成立を目前にして、割腹自決した人までいた。そのような人たちのおかげで、現在『平成』という元号があるのだ。」(『サピオ』平成22年6月9日60頁)

 小林さんは、今上陛下の御不例を予想して皇室典範改正の必要性を説いています。その自らの主張を正当化する手段として、かつての元号法制化運動を持ち出し、「そのような人たちのおかげ」を強調しているのですが、誰かから聞きかじった一知半解の知識を振り回しているだけで、本気で先人に感謝しているとは思えません。

 何故なら、あの元号法制化運動に献身した人々の多くが、今彼が「運動家」「カルト」「原理主義者」といって非難の対象にしている人々の中に含まれているからです。
 元号法制化運動当時、わたしは学生でした。それに続く高校用日本史教科書『新編日本史』の編集・検定合格・採択の運動当時は大学院生でした。それらの運動には、ほんとうに自らの時間とお金と体とを国に捧げた名も無き人々が多くいらっしゃいました。その中で、プロの運動家となり、薄給に甘んじながら、いまでも国のために挺身されている人々が多くおられます。

 「遅れてきた運動家」である小林よしのり氏は、運動といえば集会やデモ(ネット攻撃?)ばかりを思い浮かべているようですが、本当の運動家はもっと地味で目立たない、それこそ本物の自己犠牲の精神がなければ続けれないような活動に従事しています。

 小林氏は、そのような人々の努力に関心を寄せることもなく、後から来た人々にありがちなことなのですが、自分だけが天皇陛下のお気持ちを理解しているなどと思い上がり、先人の業績に関心ももたず、敬意も払わず、感謝もせず、「運動家」だの、「カルト」だの、「原理主義者」だのと、非難、罵倒、蔑視しているのです。

 そして、運動に加わったならば当然引き受けることになるお金と時間と人間関係の苦労にちょっと触れただけで、あたかも、自分だけが苦労しているかのように騒ぎ立て、未熟さや幼稚さを晒すことの恥ずかしさに全然気付いていない、といった状態です。
 下積み、雑巾掛けを経験したことのない「おぼっちゃま君」が、当たり前の困難にであって、それでもなお、今までは他人が代わってやってくれていたことに気付かず(したがって、感謝もせず)、自分だけが苦労していると勘違いして、嘆いたり、怒ったりしているように見えます。

 小林さんは「運動家」という言葉を誰かを貶めるための用語として使っているようですが、読者には、この言葉に誇りをもっている誠実な人々が大勢いることを知ってほしいと思います。彼らに比べれば、私などは「覚悟なき飽食のへたれ学者」にすぎません。そんな私に「運動家」などという尊号を奉るのはやめてほしいと思います。

 本物の「保守運動家」の方々は、外国人参政権阻止と夫婦別姓阻止の運動に忙しくて、「困ったな」と思いつつも小林さんの議論などを相手にしている暇がないというのが実状でしょう。その小林さんの議論に付き合う「ヒマ」があること自体、私が運動家などと褒め称えられるに値しない証拠だと思います。
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by nitta_hitoshi | 2010-06-15 06:01 | 小林よしのりさん批判