新田均のコラムブログです


by nitta_hitoshi
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「Win-Win」へのパラダイム転換

「産経新聞」平成21年5月3日「この本と出会った」
(『7つの習慣 成功には原則があった!』ティーブン・R・コビー著、川西茂訳、キング・ベアー社・2039円)


 「必ずしも自分と思想信条が同じでない人たちと、満足のいく仕事をするにはどうしたらいいのか」「道徳を学ぶことと事業を成功させることとは、どうつながるのか」。教育改革運動や学内行政に係わる内に、こんなことを自問自答するようになった。「ダメだ、間違っている」と見える考えや人物を否定し、「これがいい」と思うことを主張してきたが、それでは、仲間もできるが敵も増え、「これ以上の広がりは無理だな」と感じることが多くなったからだ。
 この悩みに応えてくれそうな本に最近出会った。ティーブン・R・コビーの『7つの習慣ー成功には原則があった!ー』である。コビー氏の主張の最大の特徴は、成功のためのテクニックに走る個性主義を排して、人格を土台とした在り方(パラダイム)の重要性を指摘していることと、人生を競争と見て、誰かが勝てば、誰かが負けるとする「Win-Lose」あるいは「Lose-Win」のパラダイムから、人生を協力の舞台と見て、全員を満足させる第三案が必ずあるはずだと考える「Win-Win」のパラダイムへの転換の必要性を強調していることである。
 これまでにも、人間の善性を論じた本はたくさん読んできた。しかし、自分のパラダイムそのものは、結局「Win-Lose」で、競い合い、争い合いのゼロサム・ゲームをやってきて、その限界を感じはじめていたのだな、と気づいた。この本には、内面的主体性の意義、勇気と思いやりのバランスの大切さ、相手の感情を聞き取ることの意味など、「Win-Lose」のパラダイムから抜けだすためのヒントがいっぱいつまっている。しかし、それを一度に理解し、全部覚えていることは難しい。そこで、毎朝一節づつ読んで、その日の目標を決めるのが、現在の私の日課になっている。

 
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by nitta_hitoshi | 2010-01-12 09:29 | 書評